これは、山梨県に住む20代の会社員、Cさん(女性)の恐怖体験談です。
それはまだ私が小学1年生だった時の話です。
その頃の私は、女の子同士より男の子と遊ぶ方が好きだったので、放課後や休みの日になると、鬼ごっこやかくれんぼで、毎日暗くなるまで走り回っていました。
ある日の放課後のこと、私たちはかくれんぼをすることになりました。
場所は近所の大きなお寺の境内です。
そこの住職さんは、私たちが遊んでいると、お供えのジュースやお菓子をくれるような優しい方で、お寺の中は公認の遊び場になっていました。
何度目かで私が鬼になり、最後の一人を探していた時です。
私はいつのまにか、両端に無数のお墓が立ち並ぶ墓地参道へと入ってしまいました。
どこをどう通って来たのか不思議に思いつつ、初めて入った参道に立ち並ぶお墓を、恐る恐る観察しながら進んでいくと、どこからかゴリッ・・・ゴリっ・・・と、重い音が聞こえて来ました。
初めは隠れている友達がイタズラしているのかと思いましたが、その音がするたびに驚いて振り返っても、そこには誰もいません。
夕方、少し日が暮れ始めた時間帯だったこともあり、ちょっと怖いなと思いながらも、隠れている友達を探そうと辺りを見回した時、私の周りにある墓石が、全て私の方を向いていることに気付きました。
怖くなった私が、来た道を全速力で走って戻っていく時も、墓石はゴリゴリと石臼のような音を立てながら、私の動きに合わせ、ずっとこちらを睨み続けていました。
その後、私はどんなに誘われても、そのお寺の中で遊ぶことも、男の子と遊ぶこともなくなりました。